エンタメ

『世界史MAPS』DK社編 地図で表す歴史のダイナミクス

 

 本屋さんで「わー、これいい!」とママさんたちがはしゃいでいたので、つられて手に取ったら「おお、これはいい!」と自分も心の中で叫んでいた。世界を動かした「大事件」を1テーマごとに見開き2ページの地図上にカラフルなイラストで表し、まさに一目瞭然。こんな世界史の副読本がほしかった。

 ご存知だろうか。十字軍はどういうルートで遠征し、どこでイスラム教徒と戦ったのか。黒人奴隷はアフリカ大陸のどこで捕えられ、どこに運ばれたのか。米国の南北戦争はだれがどこで戦ったのか。毛沢東率いる中国共産党の長征はどういう道筋をたどったのか。

 「人類の発祥」から「大航海時代」「米国の西部開拓史」「インターネットの発達」まで72のトピックを取り上げる。時の経過に伴う展開を大判(31センチ×26センチ)の地図上に描き出し、空間的に歴史を把握できるように工夫している。ご覧の表紙は、繁栄を誇った「ローマ帝国」が支配するヨーロッパの領土と主要都市を表したイラスト(の半分)だ。

 「車輪はもともと土器をつくるためのろくろとして発明された」とか「1600年代のヨーロッパでは、カカオの値段は最高級ワインより高かった」といったトリビア情報も楽しい。

 原書は図鑑類に定評があるイギリスのドーリング・キンダースリー社の発行。それだけに欧米のトピックが多いのが残念だが、各国でベストセラーだという。どこか今度は『日本史MAPS』を作ってくれないかな。

 (主婦と生活社 2800円+税)=片岡義博

世界史MAPS
世界史MAPS
posted with amazlet at 16.12.05

主婦と生活社
売り上げランキング: 12,965

(共同通信)