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『ラジオブロス』川野将一著 ヘビーリスナーの渾身エッセー

 

 ラジオ好きにはたまらない一冊だ。「テレビの放送作家でラジオのヘビーリスナー」という長い肩書きを持つ著者が、古今のラジオ番組から52タイトルを厳選し、その魅力を精魂込めてつづった。

 メルマガの連載エッセーを書籍化するに際し、改行を多用するメール書式をそのまま残して全848ページのボリュームに。中身がまた輪をかけて濃い。パーソナリティーのコメントや会話を採録し(録音していたのか?)、ノリのいい文章にヘビーリスナーならではのマニアックな情報を注ぎこみ、番組のエッセンスをあざやかに描き出した。

 今や伝説化した「パック・イン・ミュージック」「中島みゆきのオールナイトニッポン」「スネークマンショー」。個人的には「欽ちゃんのドンといってみよう!」「浅田真央のにっぽんスマイル」のエントリーに拍手。番組タイトルにボブ・ディラン、能年玲奈、岡田有希子の名前を見つけて胸が沸きたつ。

 大竹しのぶ、松任谷由実、神田沙也加、宇多田ヒカル、星野源、矢口真里……。あなたはテレビや活字メディアではわからなかったパーソナリティーのもう一つの顔を知ることになるだろう。

 全体が1970年代以降のサブカルチャー色に彩られるなか、唯一異色なのが「玉音放送」だ。著者にとってはれっきとしたラジオ番組であり、制作からオンエアまで昭和天皇による敗戦告知の過程を追っている。

 「今、日本一の珠玉のラジオエッセー」。帯にある水道橋博士の賛辞に一票!

 (イースト・プレス 2900円+税)=片岡義博

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(共同通信)