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『14の夜』 14歳男子の考えることは不変なのです

 (C)2016「14の夜」製作委員会

 今年3月の日本アカデミー賞で最優秀脚本賞を受賞したほか、高い評価を得た映画『百円の恋』の脚本家である足立紳の監督デビュー作。今年の東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門では、今回一緒に紹介している『太陽を掴め』をはじめ日本映画界の今後に期待を抱きたくなる作品がたくさんあったのですが、この作品もそのひとつ。1987年の田舎町を舞台に、14歳の主人公が体験するふだんよりもちょっとだけ刺激的で忘れられない一夜を描いています。「14の夜」といえば、尾崎豊の名曲「15の夜」を思い出しますが、中学時代の1歳ってけっこう大きい。まだまだ子供っぽさを残しながら、大人のかっこいい男に憧れる中途半端?なお年頃。わたしの息子がいま高校一年生の15歳なのですが、1年前を振り返ると本当にお子ちゃまでした!

 14歳の男の子が考える「おっぱい」への憧れとか、家族や友達へのイライラとか、考えが巡り続けるだけでなんの結果にもつながらない中途半端な感じだとか、この映画は14歳そのままを描いています。1980年代が舞台の作品ですが、思春期の男子っていうのは時代が変わっても不変なのだろうなって思いました。

 主演の犬飼直紀くんをはじめ、中学生役の4人は本当にお見事! の一言。おっぱいへの異様な(笑)執着心だったり、目の前におっぱいが出たときの表情だったり、くっだらないことをものすごく真面目に語り合っていたりしている姿は演技とは思えないくらい本当にリアルで、子供と大人が見事に入り混じった表情は、この年頃の子にしか表現できないのだろうな、と思いながら大笑いしていまいました。ふだんはイキがっているのに暴走族が来た瞬間にうつむいちゃう不良のリーダー役の健太郎くんもよかった。「どこかで見たことが」と思っていたら、テラスハウスの彼だったのですね! ★★★★☆

12月24日(土)より全国順次公開

脚本・監督:足立紳

キャスト:犬飼直紀、濱田マリ、光石研


(共同通信)