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『僕らのごはんは明日で待ってる』 等身大で描かれる7年間の恋の軌跡

 (C)2017『僕らのごはんは明日で待ってる』製作委員会

 キラキラ・ネーム、キラキラ女子…。女子の共感を呼ぶ恋愛比重の高い映画を“キラキラ映画”と呼ぶらしい。若い女性に人気の作家、瀬尾まいこの恋愛小説をジャニーズ主演で映画化した本作も、その範疇にくくられそう。けれども、ここで描かれる7年間の恋の軌跡は、男女を問わず身につまされそうな等身大で地に足の着いたものだ。

 無口でネガティブな亮太と明るくポジティブな小春。対照的な二人は高校時代に付き合い始めるが、大学生になったある日突然、小春は亮太に別れを告げる。実は彼女は、亮太に言えない秘密を抱えていた…。

 恋愛の到達点が結婚して家族を持つことだったり、死や病が物語を分かりやすくするカンフル剤として使われたりするのは、保守的で他人と深く関わることが苦手な今の若者に届けるための配慮だろう。亮太のセリフ「どんなことだって面倒だし、ややこしい。本気でやれば厄介なことなんて付きもの」は、そのまま本作のテーマだし、恋愛はそれを描くのにベストな題材だから。

 監督は、『無防備』『箱入り息子の恋』の俊英・市井昌秀。死や病の対比としての“生”を食べるという行為できっちりと視覚化させる判断も、画作りへの明確なビジョンが感じられる空間&画面設計も、さすがである。ただし、カーネル・サンダースと握手する際の手のアップなど、分かりやすさが高じて“押し付け”に陥ってしまっている演出も少なくない。今後の課題だろう。★★★☆☆(外山真也)

監督・脚本:市井昌秀

出演:中島裕翔、新木優子

1月7日(土)から全国公開


(共同通信)