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『天使にショパンの歌声を』 美しすぎるピアノの旋律と少女たちの歌声にうっとり!

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 カナダのフランス語圏であるケベックを舞台にした人間ドラマで、観終わった後、美しい音楽の洗礼を受けた後のようなとっても穏やかな気持ちになれる作品です。厳格な修道院によって経営されている小さな寄宿学校は、経営難によって廃校寸前。校長先生のオーギュスティーヌは、みずからが一生をかけて力を入れてきた音楽教育の素晴らしさを訴えて学校を存続させるPRをする決意をします。そんなとき転校してきたのが、問題児のアリス。実はオーギュスティーヌのめいっ子ですが、えこひいきすることなく、厳しい指導で彼女のピアニストとしての才能をなんとか引き出そうとします。

 問題児というと、ふてぶてしい女の子を想像してしまうかもしれませんが、アリスはなんともチャーミング。友達が教師にいじめられたら真っ先に反抗し、感情の全てをピアノにぶつける姿は繊細でいてとても激情的。なによりも彼女が奏でるピアノの音色に心を奪われてしまうでしょう。彼女の心の揺れがピアノの演奏にぶつけられるとても情熱的な演奏シーンがあるのですが、実はすべて吹き替えなしだそう。

 天才的なピアノ演奏を見せるアリス役を演じたライサンダー・メナードは5歳からピアノをはじめ、これまで3度もカーネギーホールで演奏をしているという本物の“才女”! 学生役のキャストたちも全員が吹き替えなしで撮影に臨んだそうで、美しい歌声にうっとりしていまいます。いつもは日本のポップスだったり、最近の曲ばっかり聞いたりしているわたしですが、ショパンの「別れの曲」、リストの「愛の夢 第3番」など、クラシックの名曲に思わずうっとりしてしまいました。

 また、アリスのお友達である吃音(きつおん)の女の子スザンヌの存在も見逃せません。寄宿学校にきた理由を聞かれ、決して母親の悪口をいうわけではなく「お母さんはカクテルをたくさん飲むのよ」と一言、話すのがなんとも切ない! そんな彼女が、アリスの伴奏で歌う「別れの曲」は今もわたしの心で響いています。★★★★☆(森田真帆)

監督:レア・プール

出演:セリーヌ・ボニアー、ライサンダー・メナード

1月14日(土)から全国順次公開


(共同通信)