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<隠れた名盤> 『東京レコード散歩 恋の山手線』 笠置、ひばりらが歌った東京

 『東京レコード散歩 恋の山手線』

 東京の各街にまつわる歌やかつての風景を紹介する連載や書籍『東京レコード散歩』の音源版となるCD企画。2016年末と2017年始に3作ずつ発表されているが、ここでは終戦直後から1980年代まで網羅されているコロムビア版を取り上げたい。

 全20曲、最初の笠置シヅ子『東京ブギウギ』以降、半ばくらいまでほぼ年代順に並んでいるので、かつて銀座と新橋の間に川があったこと(『銀座九丁目水の上』)など、本作を通して日本の近代化を思い描けるのが興味深い。

 更に、美空ひばりが『東京タワー』にて「ワンダフル ワンダフル」と明るく連呼するのがコミカルだったり、逆に坂上二郎が『ワンナイト新宿』にて尾藤イサオばりにダイナミックにシャウトしたりと、各歌手の意外な側面も楽しめる構成となっている。

 詳しい全曲解説もあるので、当時を知らない人でも存分に楽しめる。本作を聴けば、かつての街の景色と共に、時代を作り上げた先人達への想いがより強くなるはず。

(日本コロムビア・2500円+税)=臼井孝

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(共同通信)