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『夜に生きる』 アメリカのギャングの半生を硬派に描く

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 ハリウッドスターのベン・アフレックが、監督と主演、そして脚本の3役をした映画。警察官の息子に生まれたことに反発して、闇社会にどっぷりとはまり込んでいく男の半生を描きます。

 冷酷にならなければいけないのですが、どこか情にもろいところは、昔の任侠映画の日本人のよう。彼の激動の半生は、まさにアメリカの歴史を見ているようで、禁酒法時代のボストンから始まって、人種差別問題、などが出てきて面白い。中でも白人至上主義のKKK(クー・クラックス・クラン)の悪い奴が出てくるんですけど、本当に気持ちが悪くてどっちが悪い奴なんだかよく分からなくなってしまうほどです。

 それにしてもこの主人公、「夜に生きる」というタイトル同様「過去に生きる」という称号も差し上げたいぐらい、恋愛面では過去を引きずりまくりなんです。スクリーンを見ていても「あ! 今、前の彼女思い出したわね!」なんて感じるほど彼の思いが伝わってきました。ギャングとしてガンガンのし上がって成功していく中で、ふと過去を思い出す感じが切なくなってしまいます。彼が一体どうやって過去と決別して、そして真実の愛を知るのか。マフィア映画って苦手に感じる女性もいるかもしれないけれど、この恋愛要素は楽しめますよ!

 アメリカの昔のギャング映画が好きな私は、白スーツにハットのファッションだけで胸が高ぶり、マシンガンをぶっ放す姿にワクワクしました。この映画を観ると「こんなかっこいいギャングの役、男なら絶対演じたかっただろうなあ」と3役をこなしたベンの気持ちに納得してしまうはずです。★★★★☆(森田真帆)

監督・脚本:ベン・アフレック

出演:ベン・アフレック、エル・ファニング

5月20日(土)から全国公開


(共同通信)