社会

タイのラオス難民に教育支援 山口のNPO

特定NPO法人「シャンティ山口」がタイのパヤオ県に建設した学生寮で暮らす学生たち=同NPO提供

 食料・水・環境の分野で問題解決に取り組む個人や団体を顕彰する「第6回毎日地球未来賞」に、タイ北部でラオス難民の支援に取り組む特定NPO法人「シャンティ山口」(山口県周南市)が選ばれた。

 活動の舞台であるタイ北部の山岳地帯では、ベトナム戦争やラオス内戦を経てタイに移り住んだラオス難民やその子孫が暮らしている。主要な産業を持たず、慢性的な貧困状況にあり、不衛生な生活環境や子どもたちの栄養失調が問題だった。

 1993年に設立された同NPOは主に教育支援などの分野で生活改善に取り組んできた。パヤオ県に設置した保育園では給食の提供のほか、手洗いやタイ語の読み書きなどを指導。運営が軌道に乗った現在はタイ政府に運営を移管している。

 貧困を理由に通学を断念するケースが多いため、公立学校に通うための学生寮を建設。学生たちは寮の畑で農作物を育てる自給自足の生活を送りながら勉強に励んでいる。

 一方、タイ北部には遺伝子組み換えトウモロコシへの転作で荒廃した山林が多くみられる。安定収入が期待できるマンゴー、マカデミアナッツ、アボカドなどへの転換を奨励し、苗木を配る活動も続けている。

 佐伯昭夫・事務局長(72)は山口県庁を定年退職後、年間の半分をタイで過ごす。「小さな団体なので何から何までしてあげられない。難民たちの自主的な行動を手伝うという基本方針でやってきた」と受賞を喜ぶ。

 クボタ賞に選ばれた宮城県農業高校科学部(宮城県名取市)は、東日本大震災で被害を受けた校庭や周辺地域に防風林代わりに桜を植林してきた。埼玉県小川町の金子美登(よしのり)さん(68)は長く有機農業に取り組み、海外からの研修生も積極的に受け入れている。

 次世代応援賞に選ばれたフェリス女学院大エコキャンパス研究会(横浜市泉区)はビオトープ作りなどを通じて地球温暖化対策に取り組む。【津久井達】


(毎日新聞)