国際

上訴 「入国禁止令」停止決定に不服

 ◇メリーランド州連邦地裁の仮処分決定

 【ワシントン朴鐘珠】米紙ワシントン・ポストは17日、イスラム圏6カ国からの入国を一時禁止する米大統領令の執行を停止した東部メリーランド州連邦地裁の仮処分決定を不服として、司法省が上訴したと報じた。2月に執行停止された7カ国対象の入国禁止令に続き、大統領令の正当性を巡る法廷闘争は再び控訴審へ進むことになった。

 執行停止の仮処分はハワイ州連邦地裁も15日に決定している。大統領令の柱のうち、入国禁止と、難民受け入れ120日間停止の両方を「イスラム教差別」として違憲判断を下した。

 一方、16日のメリーランド州連邦地裁の違憲判断は入国禁止に関してのみで、難民受け入れ停止については宗教差別と断定できないとして、執行停止命令を出さなかった。

 政府はメリーランドの決定の方が争点が少ない分、控訴審を戦いやすいとみている模様だ。スパイサー大統領報道官は16日の定例記者会見で、政府はメリーランドの決定を上訴した後、ハワイの決定を上訴する方針だと説明していた。トランプ大統領は15日、仮処分を「前例のない司法の越権だ」と非難。「我々は勝つ。必要であれば最高裁まで争う」と徹底抗戦を宣言していた。

 メリーランドの決定の控訴審は南部バージニア州リッチモンドの連邦控訴裁判所で行われる。ハワイの決定を上訴する場合、控訴審は2月に旧大統領令の執行停止仮処分を支持したのと同じ、西部カリフォルニア州サンフランシスコの連邦控訴裁で行われる。

 バージニア州はカリフォルニア州より保守的な政治風土だが、昨年の大統領選では民主党のヒラリー・クリントン候補が勝利した。連邦控訴裁は2州とも、民主党の大統領に任命された判事が過半数を占めている。


(毎日新聞)