政治

「この国会、つい強い口調で…深く反省」

記者会見で発言する安倍晋三首相=首相官邸で2017年6月19日午後6時23分、川田雅浩撮影

 ◇加計学園文書調査で「政府への不信感招いたと率直に認める」

 安倍晋三首相は19日、通常国会が18日に閉会したことを受けて首相官邸で記者会見した。首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡る問題について、首相は「(国会で)つい強い口調で反論してしまう私の姿勢が、結果として政策論争以外の話を盛り上げてしまった。深く反省している」と表明。文部科学省と内閣府の説明が食い違っていることを踏まえ「国会の開会、閉会にかかわらず、政府として今後も分かりやすく説明していく」と述べた。

 一方で首相は、学校法人「森友学園」や加計学園の問題が焦点になった国会を「建設的議論から大きくかけ離れた批判の応酬に終始した」と振り返り、野党の追及を「印象操作のような議論」と批判。国会が混乱した原因は野党にもあるという不満をにじませた。

 野党は加計問題を解明するため、国会の閉会中に衆参両院の予算委員会を開くよう求めている。首相は「丁寧な説明」は約束したが、国会審議に応じるかどうかは明言しなかった。

 獣医学部新設計画については、計画が「総理のご意向」と記述した文書が文科省の再調査で確認された首相は「対応が二転三転し、政府に対する不信を招いたことは率直に認めなければならない」と不手際を認めたが、国家戦略特区を利用した獣医学部新設自体は「時代のニーズに応える規制改革は行政をゆがめるのではなく、ゆがんだ行政を正すものだ」と重ねて正当性を強調した。

 「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法についても「国際社会と連携を強めていくためにも必要だ。国会での審議やさまざまな指摘などを踏まえ、適正に運用する」と理解を求めた。

 そのうえで首相は、経済政策「アベノミクス」の強化など今後の政策課題を挙げ、「大きな推進力を得るためには人材を積極的に登用し、党でも政府でもしっかりとした体制を作っていくことが必要だ」と内閣改造・自民党役員人事に意欲を示した。

 首相は5月3日の憲法記念日に、憲法9条第1項と2項をそのままにして自衛隊の存在を明記する改憲案を提起し、改正憲法の2020年施行を目指す考えを示した。会見ではスケジュールについて「発議について申し上げる段階ではない」と述べた。【高山祐】


(毎日新聞)