北朝鮮「ミサイル」備え、陸自が沖縄入り


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北朝鮮の「ミサイル」発射に備え先島に向かうためフェリーで那覇港に着いた自衛隊員ら=5日午後7時すぎ、那覇市通堂町

 北朝鮮「ミサイル」問題を受け、防衛省が県内に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備を進めている件で、現場周辺の警備や災害派遣要請、情報収集などに当たる陸上自衛隊員ら80人弱と約40台の関係車両が5日夜、鹿児島発のフェリーで那覇港に到着した。この問題で県外から自衛隊員が大規模に沖縄入りするのは初めて。

 到着した隊員らは安謝港などに移動し、「ミサイル」が上空を通過する可能性がある石垣市や宮古島市、同経路に近い与那国町や多良間村に向かったとみられる。
 一方、防衛省が4日に広島県呉から輸送艦に載せて搬出したPAC3は、石垣市には6日夕以降、宮古島市には7日早朝に到着する予定。ただ政府は「ミサイル」が「わが国に向かって飛翔(ひしょう)することは通常起こらない」としており、配備は「万が一」に備えた体制と説明している。
 中谷元・防衛相は5日夜の臨時記者会見で、北朝鮮が発射日を8~25日の間と通告していることを念頭に、配備は「(前日)7日午後には終えたい」と説明した。中谷氏は展開する部隊の規模は「手の内を明らかにするので回答を差し控える」としたが、前回2012年12月の北朝鮮による発射時と同程度との認識を示した。前回は1900人規模の部隊を県内に展開した。