琉球の儒教研究に功績 糸数氏に寛惇賞贈呈


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 第33回東恩納寛惇賞(主催・琉球新報社、後援・第一書房=東京都)の贈呈式が26日、那覇市前島の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで行われた。琉球王国時代の儒教思想研究などに大きな功績のあった、県立博物館元館長の糸数兼治氏(80)=那覇市=に、琉球新報社の富田詢一社長から賞状とトロフィー、賞金、第一書房から賞金が贈られた。

 糸数氏は、蔡温が学び国政で実践した儒教の思想を詳細に分析・紹介し、琉球王国の正史の一つ「球陽」の読み下し本を執筆して研究の素地を作り上げた。贈呈式で富田社長は「歴代宝案など難解な漢文に取り組み、琉球史に大きく貢献した」などと称賛した。
 記念講演で蔡温の施政や思想を紹介した糸数氏は「東恩納寛惇先生は素晴らしい人だ。僕なんかが賞をもらっていいのか」とはにかみながら喜んでいた。