若草児童センター30周年 30メートル太巻き、心もつなぐ


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色とりどりの具材を巻いていきます

 誕生日や記念日などの特別なとき、みんなはどんなことをしますか? 普段は食べない料理を用意したり、歌や踊り、ゲームをしたりと、思い出に残ることをしたいですよね。
 浦添市立若草児童センター(大田律子館長)は港川小学校の子どもたちが元気に遊ぶ浦添市で1番歴史あるセンターです。30周年を記念した「おめでとう会」が5日、センターの遊戯室で開かれました。子どもたちが話し合い、会の目玉は「30周年だから30メートルのロング太巻きの輪を作ろう」と決まりました。酢飯に好きな具材を入れて、約70人の子どもたちがのりを巻き、長い太巻きがつながりました。
 衛生に配慮してビニール手袋、マスクを装着した子どもたちの前に、のりが配られます。少し重なるようにのりを並べ、酢飯を敷いてつなぎます。準備したのりは200枚、酢飯は32キロです。

30メートルの太巻きがつながって、はいポーズ

 みんなは家から持ち寄った具材を並べます。おすし大好き新垣優太さん(10)=4年=は魚肉ソーセージを持っての参加です。
 キュウリをつまみ食いした谷川光希さん(7)=1年=は「楽しい!」とテンション上げ上げです。
 タイミングを合わせて、すしを巻く時が来ました。会の前半に余興でむきむきの肉体美を披露した玉城伝紳さん(7)=1年=は、かんぴょう、桜でんぶなどの具材を慎重に巻いていきます。
 と、ここでハプニング。1カ所太巻きが決壊して巻ききれない所が発生しました。スタッフが駆け付けて必死にのりと酢飯を追加して、形を整えます。「できないかも」と不安顔の比嘉光希さん(8)=2年=はウインナー、卵、エビ、サケ、野菜と具材を多く入れすぎたことを悔やんでいます。隣の山口東吾さん(8)=2年=にも緊張が走ります。何とかつながって、みんなで太巻きを持ち上げると笑顔がいっぱいに広がりました。続いて、食べやすいように切り分けて、早速、がぶりとかみついた山口さんは「みんなの気持ちがこもっている味がする」と大喜びです。
 計画や飾り付けから頑張った実行委員の柴崎結衣さん(12)=6年=は「とてもうれしくておいしかった。センターはみんなが楽しめる場所だ」と誇らしげです。大田館長は「このつながりは、みんなの心のつながりです」とほほえみました。30年の歴史と仲間たちをつないだ30メートルの太巻きは、心に残るおいしさでした。
文・関戸塩
写真・屋嘉部長将