母校で後輩とぶつかり稽古 新入幕・千代皇 「期待に応えたい」


この記事を書いた人 新里 哲
幕内昇進を決め、母校を訪れた千代皇。後輩らのけいこに胸を貸す=29日、うるま市の中部農林高(又吉康秀撮影)

 大相撲初場所(来年1月8日初日・両国国技館)で新入幕となる千代皇(九重)=鹿児島県与論町出身=と、幕下昇進を決めた千代の勝(同)=うるま市出身=が29日、母校の中部農林高を訪れ、後輩たちと一緒に稽古で汗を流した。千代皇は「けがをせずに初場所を勝ち越したい」と決意を述べ、千代の勝は「前に出る相撲を取り、さらに上を目指す」と飛躍を誓った。

 新入幕を決めての母校へのがい旋は充実感に包まれた。25歳の千代皇。「純粋にうれしい」と表情を輝かせ、現在の九重親方から三役になれる力があると言われたようで、「期待に応えたい」と拳を握った。

 高校時代の3年間を中部農林高校で過ごした。母校の土俵に立ち、後輩たちと一緒にぶつかり稽古で汗を流した。「僕もここで相撲を学んだ。楽しいときもつらいときもあったから、今がある」と懐かしんだ。

 2013年夏場所で十両に昇進し、約3年をかけて新入幕への道を切り開いた。けがで苦しんだ時期もあっただけに、「たくさんの人に応援してもらった。おめでとう、と言われて頑張ってきて良かったと感じている」。周囲の支えに感謝しながら、「これからも勝つための相撲を取りたい」と強い決意を示した。

 同部屋の千代の勝をはじめ、木崎(木瀬)など沖縄出身力士の活躍も光っている。「みんなで沖縄を盛り上げたい」との思いは強い。高校生との稽古では一人一人にアドバイスを送った。「みんな力がついている。監督の指導をしっかり聞いていれば強くなれる」と太鼓判を押した。

 高校時代に千代皇を指導した県相撲連盟の木崎智久副理事長は、「相撲の厳しい世界を勝ち抜いて、ここまで上がってきた努力はすごい」とまな弟子の活躍を喜ぶ。千代皇は「もっと番付を上げていつかは横綱と対戦したい」と高みを見据えた。