ハブ撃退「飼い主孝行」な犬 1メートル仕留める


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捕獲したハブを前に誇らしげな表情を見せるクロ=18日、那覇市松川

 那覇市松川に住む平山良明さん(83)の愛犬クロは、ハブを捕獲し、特技の高跳びで平山さん夫妻を笑顔にする“飼い主孝行”な犬だ。18日に庭の敷地に忍び込んだ約1メートルのハブを初めて撃退した。平山さんは「おっとりした性格のクロが頑張ってくれた」と功績をたたえ「冬にもハブが出るので気を付けて」と呼び掛けた。

 平山さん宅はハブがすみ着きやすい草むらに近い。「首里の森が開発で減ってハブもすみかを失ったのかもしれない」と推測する。ハブとの共存を目指しているが、庭の中に入ったハブは歴代の飼い犬たちが捕獲する。クロは2015年8月に平山さんの所にやってきた5代目。人なつっこくて優しい性格のクロに、平山さんは「ハブと闘ったらクロがやられるんじゃないか」と心配していた。

棒を軽々と飛び越えるクロ

 18日未明、庭でとぐろを巻いたハブとクロのにらみ合いが始まった。激闘の末、クロがハブの首元をくわえて振り回し、地面にたたきつけた。「人間が入る余地のない闘いだった」と平山さんは振り返る。

 そんなクロの特技は高跳びだ。平山さんがクロの前に細い棒を約70センチの高さで構えると、クロはぐるぐると回って助走を付け、棒をぴょんと跳び越える。独特の跳び方はクロが考案した。「距離がなくても助走できる。スポーツ選手も参考になるのでは」と平山さん。クロは得意げに尻尾を振った。