ブイ、辺野古に搬入 きょうにも浮桟橋を設置


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米軍普天間飛行場の移設に向けた海底ボーリング調査を前に、キャンプ・シュワブに運び込まれた浮具(フロート)=20日午後2時45分、名護市辺野古(ヘリから花城太撮影)

 防衛省は20日未明、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた海底ボーリング調査に先立ち、立ち入り制限水域を明示するための浮標灯(ブイ)や浮具(フロート)など関連資材を積んだ貨物車をキャンプ・シュワブに搬入した。移設に反対する住民らの阻止行動を避けるため、未明に搬入したとみられる。

海底調査に対する住民らの海上抗議行動を排除するためのブイなどの設置が可能になった。沖縄防衛局は気象状況などを見ながら、早ければ21日にも浮桟橋などの設置作業を開始するとみられる。
 シュワブでは20日午前、フロートなどの資材を貨物車からクレーンを使って降ろし、覆っていたカバーを外すなど、海上への設置に向けた作業の様子が確認された。防衛関係者は「混乱がないように作業を進めたい」と話しており、早期の作業開始を検討している。
 関連資材は19日に那覇港新港ふ頭に入港した貨物船で陸揚げされた。ブイ設置業者のものとみられる荷台もあり、同日夜までに社名がガムテープで隠された。資材を乗せた大型トラックなどは20日午前1時25分ごろに那覇新港を出発し、同2時33分~3時15分ごろに42台が相次いでシュワブのゲートから施設に入った。
 ゲート前では未明の搬入時に数人が駆け付けて貨物車を制止しようとするなど抗議したが、警察官に制止された。早朝からも反対派の市民らが集まり、警察官が活動を制止するなど一時混乱した。
 ブイとフロートは、シュワブ内の2カ所に設置する浮桟橋から出す作業船が設置作業を行い、徐々に沖合まで設置範囲を広げる。米軍施設内から作業を開始することで、新たな基地建設に反対する住民らの抗議行動の影響を避ける狙い。一方、海上で住民らの船がブイ設置箇所よりも内側に進入してきた場合、海上保安庁や県警が刑事特別法(刑特法)で取り締まる方針。
 ブイ設置作業には数日間かかる見通し。反対派住民らの抗議活動も予想されるため、海保や県警ほか民間の警備会社の船などで警戒する。防衛省はすでにシュワブ内に、海保や県警などの警備担当者や作業員が業務の調整などを行う現地事務所を設置。月内のブイ設置、ボーリング調査開始に向け調整を続けている。