政治

海保、制限水域外で抗議の市民を強制排除 辺野古沖

ゴムボートで抗議活動をしていた市民を拘束する海上保安庁の職員ら=15日午前9時5分、名護市の辺野古沖

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴い、浮標灯(ブイ)や浮具(フロート)の設置作業が行われている名護市の辺野古沖で15日、海上保安庁が抗議活動を展開していた市民を臨時制限区域外で強制的に排除した。排除する中で、市民に初めてけが人が出た。

巡視船16隻、ゴムボート約20艇を投入していた海上保安庁は作業海域内への立ち入りを制限。埋め立てに抗議する市民の船やカヌー、報道陣が乗る船を追尾した。作業海域に近づいた市民のうち少なくとも3人の身柄を「安全確保」を理由に一時拘束した際、30代の男性1人が目の辺りを切る軽傷を負った。抗議活動でけが人が出るのは初めて。市民らからは「過剰警備だ」との批判の声が上がった。
 一方、沖縄防衛局は辺野古沿岸部の埋め立てに伴う海底ボーリング調査に向け、米軍や工事用船舶以外の航行を禁じた臨時制限区域を明示するフロートの設置作業をほぼ終えた。16日にもボーリング調査に使用するスパット台船を設置し、準備が整い次第、掘削調査を実施する方針。
 埋め立て地盤の強度を確認する掘削調査は17日にも開始する方針だが、天候次第で作業がずれ込む可能性もある。
 15日は辺野古崎から辺野古漁港にかけて工事の区域などを示すブイやフロートの設置作業が午前8時前から行われ、午後4時半すぎには大浦湾から辺野古漁港近くまでフロートがつながった。
 作業海域の周囲では、海保のゴムボートがカヌーやゴムボートで抗議活動を展開しようとしていた市民らを囲い込んだ。市民のゴムボートに乗り込み数人で羽交い締めにするなどして強制的に排除。その際、30代の男性1人の眼鏡が壊れ、目の辺りに軽傷を負った。海保はそのほか、市民が乗るカヌー7艇、ゴムボート1艇、小型船1艇を強制排除した。
 第11管区海上保安本部は「前日と比べ危険な行為があったため、安全確保で指導した」と説明した。
 防衛局は当初、ボーリング調査は21地点で実施予定だったが、「効率的な調査」のためとして16地点に変更し、足場や台船を使う方法もすべて台船に切り替えた。




琉球新報