16日行われた那覇市長選で初当選を果たした城間幹子氏(63)は17日、那覇市の琉球新報社で松元剛報道本部長のインタビューに応じ、今後の市政運営や抱負について語った。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題に関し「普天間返還を求めるときに名護に持っていくという考えでは、沖縄が名護を切り捨てることを意味する。首長の中にさまざまな意見はあると思うが、原点に返って県民としてどう考えるべきかを話し合っていきたい」と述べ、市町村長らとの対話を重ねる考えを示した。
―当選から一夜明けての気持ちは。
「選挙の結果を受けてほっとした気持ちと、いよいよスタートラインに立ったという緊張感がある」
―過去最多得票で初の女性市長となる。どのような那覇市を目指すのか。
「政治は民のためにあるといつも思っている。市民に寄り添い、それぞれのライフステージに合わせた課題に目を向けて解決のために力を尽くしていきたい」
―市政運営で「城間カラー」をどう出していくか。
「教職歴の中で、常に人に寄り添ってきた。その姿勢を変えずに市長としても取り組む。女性としての目線で、女性の地位向上などにも取り組みたい」
―市長就任後、一番に取り組むことは。
「政策の一丁目一番地は待機児童の解消だ。子どものためにとどまらず、働く女性の後押しにもなる。県と連携し、こどもみらい部を中心に市役所全体で取り組んでいきたい」
―中心市街地の活性化も大きな課題だ。
「観光客の客足は国際情勢や天候の状況によって、左右されてしまう。国際通りのにぎわいはそういう形であってはいけない。地元客がもっと行かないといけない。そのために定住人口を増やす必要がある。第一牧志公設市場の建て替えや農連市場の再開発に合わせて、建物上部に市営住宅を造り、子育て世代を優先的に入居させるなどして子どもや地元の買い物客を増やしていく」
―行財政改革では、どこに切り込んでいくか。
「これまで職員の給料や職員数を減らすなど自分たちの身近な部分を切ってきた。しかし増大する扶助費などへの対応に、身を切るだけでは済まなくなってきた。今後は生み出す行財政改革も考えなければならない。総合的・統括的な企画、管理、活用を図るファシリティマネジメントの手法を取り入れ、公共施設の有効活用を図っていく」
―米軍那覇軍港の返還について、具体的にどう求めていくか。
「『軍港を移す』ではなく、『返してほしい』と求めていく。そのためにも、返還後にこういうふうに活用したいんだという青写真を作る。前市政のときに、地主の方々からも有効活用してほしいと要望を受けているので、それを背中に受けて進めていきたい」
―翁長雄志氏の知事選当選の勝因は何だと考えるか。
「ウチナーンチュ魂だと思う。翁長さんが考えていた『オール沖縄』という、沖縄全体で対抗するんだという考えの下にウチナーンチュ魂が発揮された」
―普天間飛行場の辺野古移設問題では、県都のリーダーとして翁長次期知事をどう支えるか。
「那覇市民も(名護市民と)同じ沖縄県民だとずっと訴えてきた。普天間飛行場の返還を求めるときに、それを名護市に持っていくという考えでは、沖縄が名護を切り捨てることを意味する。首長の中にさまざまな意見はあると思うが、原点に返って県民としてどう考えるべきかを話し合っていきたい」