知事、きょう菅氏と会談 辺野古反対伝達へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
西普天間住宅地区の返還式に参加する菅義偉官房長官(奥左)と翁長雄志知事(同右)=4日午後、沖縄県宜野湾市

 菅義偉官房長官が4日、来県した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の阻止を公約した翁長雄志知事の就任後に沖縄を訪れるのは初めて。菅氏と翁長氏は5日、那覇市内で約1時間会談する。米軍キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区の返還式が4日、同地区で開かれ、菅氏と翁長氏が出席し、顔を合わせた。

菅氏は式のあいさつで辺野古移設を進める考えを強調した。翁長氏は報道陣に対し、戦後に土地が強制接収されて米軍基地ができた経緯を踏まえ、5日の菅氏との会談で議論する考えを示した。
 西普天間の返還式のあいさつで菅氏は「発展のモデルケースとなるように、しっかりと計画を前に進めたい」と西普天間で進む「国際医療拠点」構想を実現し、先行事例にしたい考えを強調した。さらに「普天間基地の固定化は絶対に避けなければならない」とも述べた。関連し菅氏は「知事と忌憚(きたん)のない意見交換をしたい」と報道陣に述べ、知事との会談で辺野古移設を進める方針を伝える意向を示した。
 翁長知事は返還式のあいさつで「歴史的な経緯や地権者の皆さまの気持ちを考えると、万感胸に迫るものがある」と述べ、辺野古移設問題には触れなかった。一方で式典後の報道陣の取材に「(普天間飛行場の)原点は、県民自ら差し出した基地ではないということだ」と強調し、辺野古移設阻止の姿勢を強調した。菅氏は4日、糸満市の国立沖縄戦没者墓苑なども訪れた。