重力無視の“空中技” 仲宗根さんストリート・ワークアウト世界大会へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
公園にいた子どもたちの注目を集めながら技の練習に励む仲宗根雄三さん=4月26日、宜野湾市真志喜の宜野湾海浜公園

 【沖縄】沖縄市の仲宗根雄三さん(30)が、公園の遊具などを使って器械体操やダンスのような動きを織り交ぜる「ストリート・ワークアウト」の世界大会「WSWCF・ストリート・ワークアウト・ワールドカップ・2015」に、日本人として初めて出場する。大会は31日に台湾で行われる。出場時には「ロボコップ雄三」と名乗る仲宗根さんは、まさに強靱(きょうじん)なロボットのごとく、重力を無視するかのような動きを見せている。

 同世界大会は3月から10月にかけて世界各地で22の大会が開かれ、12月9日にロシアのモスクワでの決勝大会で最終的な優勝者を決定する。
 仲宗根さんは「優勝を狙っている。これを機に国際的なつながりをつくっていきたい」と意気込んでいる。
 2010年に欧州で始まった「ストリート・ワークアウト」は、日常生活に溶け込む公園や路上などで、自分の体重を支える力のみを使ってトレーニングを行う。
 遊び感覚で体を鍛えることができ、国内でも人気が高まっている。仲宗根さんが国内初のチーム「OGST」を10年に結成したことがきっかけの一つとなり、県内にはストリート・ワークアウトに親しむ人が100人以上いるとされ、沖縄が国内の先進地となっている。
 仲宗根さんは06年、ストリート・ワークアウトの前身となる運動方法をネット上で見て、公園でのトレーニングを一人で始めた。「公園でトレーニングをしていると、自然とコミュニケーションが生まれ、みんな参加してくれる」と魅力を語る。
 仲宗根さんはサプリメントなどに頼らず、県産食材から栄養をバランスよく取り入れ、体づくりをしているという。「ストリート・ワークアウトが沖縄の新しい文化として根付くと、肥満が多い沖縄県民の健康改善につながる可能性は十分ある」と提唱する。
(長浜良起)