「人権と関係ないというのは本当に残念」 知事、政府に反論


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 【ジュネーブ=島袋良太】翁長知事は22日午後(日本時間同日夜)、国連欧州本部で記者会見し、知事の国連人権理事会での演説について日本政府が「軍事施設の問題を人権理事会で取り扱うのはなじまない」などと批判したことについて、県民は米軍基地から派生する事件事故、環境汚染や騒音などに苦しんできたとした上で、「人権と関係ないというのは本当に残念だ」と反論した。

 知事の演説について、日本政府は会議に出席していた在ジュネーブ日本政府代表部の嘉治美佐子大使が「日本政府は米政府と協力して沖縄の負担軽減に最大限努力している」とした上で「3月に51ヘクタール(キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区)を返還した」などと主張。
 また「沖縄の経済振興にも努力している。沖縄側とこれらの問題に関するハイレベル対話の枠組み設置でも合意した」と述べた。
 嘉治氏は「辺野古移設は米軍駐留による抑止力を維持しつつ、人口密度の高い場所に普天間があるリスクを取り除く唯一の解決策だ」と重ねて政府見解を示した上で、(1)1999年に名護市と知事の合意を得た(2)2013年には仲井真弘多前知事が埋め立てを承認した―と述べた。
 また環境評価手続きでも環境や住民生活への問題は生じないと結論付けたとした。
 会議後、嘉治氏は記者団に知事の演説について、人権理事会での取り扱いはなじまない、との見方を示していた。