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どうする?那覇空港周辺道路の混雑 第2滑走路の供用が始まればさらに深刻に 〈熱島・沖縄経済 第2部〉14


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
多くの車両が行き交う国内線ターミナル前の道路=7日、那覇空港

 沖縄の空の玄関口、那覇空港。県民のほか国内外から訪れる観光客が利用し、多くの人でにぎわう。那覇空港の乗降客数は右肩上がりで、2018年度は約2154万人を記録した。利用者の増加に伴い、空港周辺道路の混雑が大きな課題となっている。レンタカーの受け取りに長い時間を要することが指摘されているほか、空港へ向かう道路の渋滞でバスの運行に遅れが出ることも懸念される。

 那覇空港へ移動するためにモノレールやバスなど公共交通機関が整備されているが、現状では多くの一般車両が空港に集中している。観光客が那覇空港に到着して、レンタカー事業所で車両を受け取り、那覇市を出るまでに3時間以上が経過するケースもあるという。

 県レンタカー協会の野原朝貞会長は「関係機関の協力で空港周辺の渋滞は以前より緩和されたが、まだまだ多くの車が乗り入れている」と説明する。県内の観光事業者は「渋滞にはまって不要な時間が経過することになれば、観光客にマイナスのイメージを与えてしまう」と指摘する。

 空港へアクセスする道路でも渋滞が発生している。県内のバス会社で勤務経験のある元運転手の男性は「バスが到着予定時刻より大幅に遅れることがある。飛行機の出発時間に間に合わない恐れも出てくる」と危機感を募らせる。バスやタクシーのみが停車可能なエリアに一般車両が進入することもあり「マナーやルールをしっかり守らせてほしい」と願う。

 那覇空港では昨年8月から、立体駐車場の利用料金が入庫から30分以内は無料になっており、周辺道路が一般車両で混雑する状況の改善を目指している。30分無料化の前は国内線到着ロビーの周辺で違法駐車が目立ち、交通渋滞を引き起こしていた。

 那覇空港事務所の野村伸一次長は「以前は路上駐車で車両の流れが悪くなり、渋滞が発生するという悪循環に陥っていた」と振り返る。30分無料化の後は路上駐車が見られなくなり、野村次長は「混雑の解消につながった」と手応えを感じている。

 20年3月には那覇空港の第2滑走路が供用開始予定で、利用客のさらなる増加が予想される。那覇空港ビルディングの東川平靖専務は「国や県と連携しながら今後も渋滞対策を進めなければいけない」と強調する。沖縄都市モノレールの浦添延長で、終点のてだこ浦西駅近くに約1千台を収容できる駐車場が整備された。モノレールの活用で空港に集中する車両が分散することも期待される。

 東川平専務は「交通渋滞の解決策の一つとして、バスやモノレールなど2次交通の利用促進は重要になる」と力を込める。車社会の沖縄で効果的な渋滞対策を進め、県民や観光客のストレスを軽減するために、関係機関の模索は続く。

(「熱島・沖縄経済」取材班・平安太一)