「合意違反、受け入れできない」 嘉手納基地でのパラシュート訓練通知に防衛相 米軍に強い不快感、中止申し入れ


この記事を書いた人 問山栄恵
河野太郎防衛相

 【東京】河野太郎防衛相は29日の閣議後会見で、米軍が嘉手納基地内でのパラシュート訓練実施を通知していることについて「明らかにSACO合意に反することで、受け入れることはできない」と強い不快感を示し、米側に中止を申し入れたと明らかにした。同基地内での実施は悪天候など例外的な場合に限られているが、米側から明確な理由説明がなく「非常に残念だし、ゆゆしき問題、ゆゆしき事態を言わざるを得ない」とも強調した。

  米連邦航空局の航空情報(ノータム)によると、29日午後4~8時の間に嘉手納基地内でのパラシュート降下訓練を実施すると通知されている。

  米軍のパラシュート降下訓練は1996年のSACO最終報告で、伊江島補助飛行場で実施することが合意された。嘉手納基地内での実施は「あくまでも例外的な場合」とされているが、今年に入って既に3度実施され、沖縄県や周辺自治体の反発が強まっている。

  河野氏は会見で「予定されていた訓練がかなりの期間、天候が悪くてできないならば相談しなければならないが、今回のような、ただ単なる『例外的』ということではいけない」と語った。在日米軍や在日米大使館などに中止を申し入れたほか、米国防総省を通じてエスパー国防長官に懸念を伝えたと説明した。
【琉球新報電子版】