絵画や漆器など少なくとも435点焼失 首里城火災で沖縄美ら島財団


この記事を書いた人 問山栄恵

 首里城公園を管理する一般財団法人沖縄美ら島財団(花城良廣理事長)は1日の会見で、首里城の建物で1510点の絵画や漆器など美術工芸品・資料を収蔵し、うち正殿など7棟の火災で少なくとも435点が焼失した可能性があることを明らかにした。焼失した施設に展示していた美術工芸品について「確認できるところではたぶん焼失した」とした。

復元され展示されている首里城正殿内にある琉球国王の玉座。31日の火災で焼失したとみられる(1995年11月1日撮影)

 今回の火災で焼失した可能性が高いのは、全焼した正殿に常設展示されていた扁額「中山世土」や「玉座」など7点をはじめ、南殿の大龍柱残欠など4点、北殿の1点、書院・鎖之間の2点の計14点。県立埋蔵文化財センターや個人から借用した資料14点も各施設に展示されていた。寄満多目的室に保管していた尚家資料や委託資料など407点も焼失している可能性が高いとした。美ら島財団は「形は残っていないという報告は聞いている」と話した。

 美ら島財団は所蔵している美術工芸品が絵画、漆器、染織など860件・1510点あり、首里城内で分散して所蔵しているという。収蔵庫に保管しているものについては火災で収蔵庫が高温で開けられないことを理由に「確認できる状況にない」と話し、不明であるとした。【琉球新報電子版】