18~19世紀の民家遺構発掘 屋敷全体が良好な状態 那覇市の末吉村跡


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 那覇市文化財課はこのほど、末吉公園内の末吉村跡で民家跡を発掘した。18~19世紀の遺構とみられる。昨年発掘された隣のノロ殿内跡と同様に屋敷全体の遺構が良好な状態で残っていた。同課によると近世の民家跡はこれまでも発掘されているが、隣家も含めて良好な状態で残っているのは珍しい。

 民家跡の面積は約510平方メートル。石を敷いた道や台所、「フール」と呼ばれる豚小屋を兼ねた便所、地面に埋められた二つのかめ、排水路など、屋敷全体の間取りが分かる形で遺構が残っていた。

 市は末吉公園内の多目的広場整備に伴い発掘調査を進めていた。文化財課は民家跡やノロ殿内跡をできる限り現状保存したい考え。市は周辺の遺構も調査した上で現状保存か記録保存(現状保存できない場合に調査記録を残す)かを判断する見通し。

 市は16日午前9時半から現地で市民向け説明会を開く。担当者は「今後はブルーシートを掛けて一時的に保存するので、今のうちにぜひ見てほしい」と話した。問い合わせは市文化財課(電話)098(917)3501。

発掘された末吉村の民家跡。中央に二つの埋められたかめ、その上に台所、左上にフールがある。台所周辺が母屋、左下が家畜小屋だったとみられる=10月、那覇市の末吉公園(那覇市文化財課提供)