介護保険「非該当」に 視覚障がい當山さん(那覇市) 家事援助回復へ


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介護保険の審査やり直しの結果、「非該当」となったことに安心する當山由美子さん=25日、那覇市の自宅

 視覚障がい者の當山由美子さん(67)=那覇市=が、利用する障害福祉サービスを65歳を機に介護保険サービスに切り替えられた結果、「家事援助」を受けられる時間が大幅に減り、障害福祉サービスに戻ることを求めていた件で、那覇市は介護保険の審査をやり直した結果、22日付で「非該当」とした。當山さんは障害福祉サービスで家事援助を受けられるよう手続きを進めており、12月か1月から受けられる見通し。

 市は当初、當山さんが障害福祉サービスで受けている「同行援護」(外出時の移動支援)をもって「介護の手間がかかる」と判断し、「要支援1」と認定した。當山さんはこれを不服として今年5月、介護保険の認定取り消しを求めて県介護保険審査会に審査請求をした。審査会は10月24日付で市の認定を取り消す裁決をした。

 裁決を受けて市が審査をやり直した結果、「社会的支援を要する状態には至っていない」として「非該当」とした。

 厚生労働省は、サービス内容や機能から障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は原則、介護保険サービスが優先されるとしている。ただし一律に介護保険サービスを優先せず、利用者の状況に応じて市町村が判断する―ともしている。

 當山さんは介護保険「非該当」とされたことについて「正当な判断だ。これで(他の人も)同行援護のみをもって『介護の手間がかかる』と判断されることはなくなるのではないか」と喜んだ。