ピースキャンドル16年目 「未来守る」17歳の願い


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キャンドルをともし、通行車に「きれいな海を守りましょう」と手を振る(左から)渡具知智佳子さん、和紀さん、浦島悦子さん、渡具知武清さん=11月30日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート付近

 【名護】毎週土曜日の夕方、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート付近でろうそくを手に新基地建設反対を訴える「ピースキャンドル」。市瀬嵩に住む渡具知武清さん(63)一家らが2004年から始めた活動は11月で16年目に入った。2歳の頃からキャンドルをともし続けた娘の和紀さん(17)も高校3年生になった。「周りの景色は変わっても、沖縄の未来を守りたい気持ちは昔も今も変わらない」と思いを強くしている。

 11月30日の夕暮れ時、時折冷たい風が吹く中で渡具知さん家族らはキャンドルをともした。沿道から垂れ幕を掲げ「きれいな海を守りましょう」「新基地建設止めましょう」。オレンジ色の光を手に、行き交う車に呼び掛ける。この日は県外から来た参加者と共に30分間、休まず手を振った。

 活動を始めた頃、和紀さんは2歳。縁石に座り、揺れるキャンドルの光を眺めていた。「当時はフェンスがある意味も分からず、中に入ってみたいなと思っていた」。高校3年生になった現在は「沖縄の中にアメリカがあることが徐々に分かってきた」と話す。

 新基地建設を止めようと手を振り続ける両親や参加者の背中を見て、将来の子どもたちが暮らす平和な沖縄を思い描く。「未来の子どもたちのためにも、基地は造らせない」。17歳なりの思いを胸に、前を見据えた。
 (吉田早希)