基地周辺 PFOS値高く 県が夏季調査 5地点で米勧告値超え


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 沖縄県は4日までに、健康上のリスクが指摘される有機フッ素化合物「PFOS」などに関する米軍基地周辺での2019年度夏季の水質調査結果を発表した。米環境保護庁(EPA)が設定した水道水の生涯健康勧告値を大幅に超えた地点が引き続き確認された。

 調査したのは米軍基地周辺の湧き水や比謝川、うるま市川崎ポンプ場の取水源となっている天願川など。県は今調査から国際的に規制の動きが進む「PFHxS」も調査対象に加えたが、同じく高い値が検出された。

 普天間周辺では9地点のうち5地点でPFOSと「PFOA」の合計値が米EPAの勧告値(1リットル当たり70ナノグラム)を超えた。超過地点での検出値は1リットル当たり100~1300ナノグラム。PFHxSは同14~540ナノグラムの範囲で確認された。

 嘉手納基地の近くでは、比謝川周辺の湧き水や地下水を調べた5地点全てでEPA勧告値を超えた。調査地点でのPFOSとPFOAの合計値は1リットル当たり340~1800ナノグラム。PFHxSは同410~890ナノグラムが確認された。

 天願川も調査した4地点全てでEPA勧告値を超えた。PFOS・PFOAの検出値は1リットル当たり71~1100ナノグラム。PFHxSは同19~520ナノグラムだった。

 県はEPA勧告値を超えた地点の一部では、米軍が使う泡消火剤から分解生成される物質が高濃度で検出されたと指摘。「地下水への泡消火剤の影響が示唆された」としている。

 一方、天願川は上流側でPFOSよりPFOAの値が3倍高い濃度で検出された。PFOS値の方が高いこれまでの普天間飛行場周辺の調査とは異なる傾向を示したが、県はこの要因について「現段階でコメントは難しい。調査を続けて分析したい」としている。