首里城火災で周辺業者の半数以上が「売り上げ減」 団体客が少なくなった…外国人客が減った


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
首里城を訪れた観光客=11月4日

 那覇商工会議所は10日までに、首里城周辺で営業する事業者を対象としたアンケートの結果をまとめた。首里城火災の発生前と比較して売り上げが「減少した」や「大きく減少した」と回答した事業者は53・7%と半数以上を占めた。外国人や団体客など、観光客の減少を実感する事業者も多かった。今後の売り上げ予想も減少見込みが6割近くに上り、火災が事業者の経営に影響を与えている状況が鮮明になった。

 アンケートは首里城周辺で観光客を顧客とする店舗を対象に、11月18~29日に行った。聞き取りによる調査で41事業者から回答を得た。首里城火災の前より、売り上げが「減少」としたのは29・3%で、「大きく減少」は24・4%だった。「変わらない」は39%で、「増えた」との回答が7・3%あった。

 業種別では、飲食店(24事業者)の62・5%、小売業・サービス業(17事業所)の41・1%が「減少」もしくは「大きく減少」と回答した。

 今後の売り上げ予想は「減少」が36・8%、「大きく減少」が23・7%あった。「不明」としたのは21・1%で、同会議所は「今後の売り上げ予想を不安視する見方が強かった」と指摘している。

 アンケートに協力した事業者からは「団体客が少なくなった」「外国人客がだいぶ減少した」との声が上がった。首里城周辺の活性化に向けた方策として、ライトアップの復活やイベントの開催などを求める意見が多く出された。

 那覇商工会議所は今後も定期的にアンケート調査を実施し、首里城周辺の事業者の経営状況を確認するという。