豚コレラ、嘉手納弾薬庫に埋却検討 沖縄市 重機搬入で困難視も


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
沖縄市内の埋却地で埋却溝にブルーシートを敷く作業員ら =12日午前4時半ごろ、沖縄市内(県提供)

 県内で豚やイノシシの感染症である豚コレラ(CSF)が発生している問題で、沖縄市は12日、埋却地候補の一つとして嘉手納弾薬庫地区内の知花地区北側の市有地約3千平方メートルを選んだと発表した。一方で同日に現地を視察した関係者は「道が狭くて舗装されておらず、重機の搬入が難しい」と埋却を困難視している。同市は今後、嘉手納弾薬庫のほか市内の廃棄物最終処分場に隣接した市有地なども候補地として検討を続ける。

 沖縄市によると、嘉手納弾薬庫地区内の市有地は黙認耕作地で、現在は使われていない。10日に同市が要請し、11日に米軍嘉手納基地第18航空団司令官から承諾を得た。入り口から約2キロ基地内に入った場所という。視察した関係者によると途中の道が狭く、穴を掘るために必要なトラックやショベルカーが入れない可能性が高いという。

 埋却地は一定の面積が必要で、感染防止のために3年間は掘り起こすことが禁止されているため跡地利用が制限されることもあり、沖縄市の埋却地探しは難航している。

 沖縄市内では3養豚場の4682頭が殺処分対象となっている。市有地でもある豚コレラが発生した養豚場敷地内に埋却する予定だが、実際の頭数や豚の大きさなどにより面積が足りなくなる事態も想定され、同市は予備の埋却地選定を急いでいる。

 沖縄市内で10日に感染が確認された養豚場の豚は、12日午後4時段階で2570頭が殺処分された。県は残る2農場の殺処分を12日夜から開始し、早ければ13日中にも完了させたいとしている。8日に豚コレラ感染が確認されたうるま市の養豚場など3養豚場の殺処分と埋却は11日までに完了した。汚染された堆肥や機材の消毒などは人手不足のため終了しておらず、12日も続けられた。