豚コレラで沖縄県、焼却処理も準備 埋却地確保は継続


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 高良 利香
殺処分された豚4682頭が埋却される沖縄市の埋却地=沖縄市(県提供)

 豚コレラ(CSF)の感染拡大で、沖縄県は13日までに、埋却地が不足する場合の対策として、死骸を焼却処理して産業廃棄物処分場に埋める代替手段を準備することを決めた。死骸を破砕・煮沸して無害化する移動式の「レンダリング(化製処理)装置」の貸し出しを農林水産省に要請し、農水省は14日に大阪から船で装置を搬出する方針を伝えた。17日前後に到着の見込み。

 県は代替手段の準備は進めるものの、焼却処理の採用についてはあくまで「最終手段」と強調。引き続き埋却による防疫作業を前提とし、埋却地の確保に向けた調査を続けるとした。

 県畜産課は、沖縄市とうるま市で豚コレラに感染した養豚場を中心とした半径3キロ圏内の農場17戸を検査した結果、全て陰性であったと報告した。県は11日から、10キロ圏内にある養豚場に感染疑いのある家畜がいないかについて検査を始めており、19日までに10キロ圏内全ての養豚場で検査を終えることを目指す。

 沖縄市内の3養豚場では13日午後9時現在、5024頭が殺処分された。市内で2件目の発生となった養豚場敷地で埋却を進めている。うるま市を合わせた殺処分数は7千頭を超えた。

 養豚場施設内の埋却地に全て埋却できる見込みとなっているが、今後の発生状況にも備えた埋却地の確保が課題となっている。沖縄市が候補地の一つとして県に提案した米軍嘉手納弾薬庫地区内の土地は、道幅が狭く作業車両を運搬できないことから、使用は厳しいという見方もある。県と市で埋却地として使用できるか検討を続けている。

 国の「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」は埋却地を確保できない場合、焼却処理を利用できるとしている。国内の豚コレラ発生事例では大阪府でも埋却地を確保できず、レンダリング装置を導入して産業廃棄物として焼却・埋め立て処理した事例がある。