ウーマン・村本さんが異を唱えた石垣島の現実


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社会の現状に笑いで異を唱えるウーマンラッシュアワーの村本大輔さん=15日、石垣市のゆいロードシアター

 【石垣】お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん=写真=が15日、石垣市のゆいロードシアターで独演会を開いた。経験を織り交ぜながら基地や原発、在日朝鮮人差別などを取り上げ、社会問題や少数者に無関心で、分断があおられる社会に笑いで異を唱えた。石垣島への陸上自衛隊配備計画や同計画の賛否を問う住民投票に触れ、「民主主義を腐らせないために、常に考え続けることが大事だ」と訴えた。

 米軍基地問題に関心が高い本島でも、石垣島への陸自配備には目を向けない現状に憤るツイッターに引かれ、石垣島での独演会を決めたという村本さん。住民投票が実現されないことに「民主主義は民意で成り立っているんだから、一人一人聞くことが大事。やらないのは独裁じゃないか」と切り捨てた。子どもの泣き声に「あの子も住民投票やるべきだと言っている」とかぶせ、笑いを取った。

 「基地ができてそれで何かあっても造った人は無責任だから、ほっとくよ。お前たちだってそれで飯食えたんじゃないかという人もいるよ」と、権力者や少数者に目を向けない人々を痛烈に批判。権力にとって政治的無関心が都合が良いとして、賛成・反対の立場にかかわらず、思考停止に陥らないよう呼び掛けた。

 一方で「基地の賛成、反対だけでどうか仲が悪くならないでほしい」と繰り返し、違いを認め合う必要性も語った。