着水?墜落? 飛行艇機能はないのに防衛省は「着水」と説明 米軍は「went down」


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MH60ヘリコプター(資料写真)

 25日に沖縄本島沖で発生した米軍MH60ヘリの事故について、防衛省は情報収集中としながらも「墜落」ではなく「着水」と説明している。MH60に飛行艇の機能はないため、「着水」という表現には不自然さが伴う。沖合での発生のため事故当時の状況など詳細は不明だが、米海軍の発表は「went down」と表記しており、この語には「落ちる」「墜落」の意味も含まれる。

 2016年12月に名護市安部沿岸部で米海兵隊のMV22オスプレイが大破した事故では、防衛省は「不時着水」と説明した。「墜落」と「着水」では受け取る印象は大きく異なり、事故を矮小(わいしょう)化させたい狙いも透けたが、琉球新報は真っ二つに折れた機体の破損状況などから「墜落」と報じてきている。

 15年8月、うるま市沖で米陸軍のMH60ヘリが艦船への着艦に失敗し墜落した事故では、発生時に米軍は「訓練中にハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)した」とした。本紙などは「墜落」と表記しているが、17年にまとめられた事故報告書では甲板上での「不時着艦」と表現された。