米軍基地内で感染者… 新型肺炎で真偽不明な情報が氾濫 SNS上で 米軍は否定 


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
「沖縄中国の人多くてまじコロナ」と書かれたツイート(左)、米軍基地内で感染者が「出たらしい」とするツイート(右)(一部画像を処理しています)

 新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、県内でも真偽不明の情報が氾濫している。会員制交流サイト(SNS)では「沖縄にコロナの感染者」「マジ中国人勘弁」などの書き込みが拡散。「ガセだ」などと否定する投稿も散見されるが、感染を恐れる不安心理も重なってデマは完全には消えない。「中国語を話したら周りの人が離れていった」。実生活でも中国出身者というだけで警戒されるなど波紋が広がっている。

 6日現在、県内で感染者は確認されていない。ただ、感染者が確認されたクルーズ船が那覇港に寄港していたことに合わせて、ツイッターなどのSNSでは県内でも感染者が出たとする情報が広がり「入国目的が観光だったのかも分からない」との投稿もあった。

 同時に県内の米軍基地でコロナウイルスの感染者が発生したとのうわさもSNSや口伝いに拡散。中には海兵隊基地の名称を示す偽情報もあり、本紙記者にも基地に出入りする関係者から問い合わせがあった。

 在沖米海兵隊は6日「現在、感染疑いのある海兵隊員はいない」と否定した。14日以内に中国を訪れた軍人・軍属に対しては自宅隔離を指示していると説明した。在沖米海軍と空軍も同様に否定した。

 米軍基地など県内で感染者が発生したとする情報はSNSなどで出ては消えを繰り返している。その中で感染を不安視する目は発生源の「中国」の出身者らにも突き刺さる。

 日本沖縄華僑華人総会の東江芝軍会長が買い物中、知人と中国語で話すと「周りの人が離れていった」と語る。東江さん自身も感染を恐れており「もし武漢に行っていたら外に出ていない」ともどかしさもにじませた。先の見えない感染症の拡大で人々の不安も膨らむ中、まん延する真偽不明情報。厚生労働省は冷静な対応を呼び掛けている。