尚玄主演「義足のボクサー」の挑戦描く 日本・フィリピン合作映画 沖縄でのロケ進む


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映画「義足のボクサー(仮題)」の撮影現場で取材に応じる主役の尚玄さん=25日午後、南城市玉城の奧武島

 日本・フィリピン合作映画「義足のボクサー(仮題)」の沖縄県内ロケが進んでいる。義足のボクサーとしてフィリピンで活躍し、引退後は沖縄県内に住む土山直純さん(37)=長崎県出身=をモデルにした人間ドラマ。監督はカンヌ国際映画祭など海外の国際映画祭で受賞を重ねるフィリピンのブリランテ・メンドーサ。主演は映画「ココロ、オドル」(岸本司監督)の尚玄が務める。日本公開日は未定。

 撮影は1月末、フィリピンでクランクインし、沖縄での撮影は25日、南城市玉城の奧武島などで始まった。3月初旬まで撮影し福岡に移動する。

 土山さんは5歳の時に右足首から下を切断。高校でボクシングを始め、2001年に平仲ボクシングスクールに入門。だが義足ではプロの資格が認められないためフィリピンに渡り、プロボクサーになり活躍した。チャンピオンにはなれず15年に引退した。

 主人公を沖縄県出身にするなど一部設定は変えたが、夢に向かって挑戦し続けた土山さんの生きざまを描き人間の誇りや愛、友情の在り方を問い掛ける。

 土山さんと親交のあった主演の尚玄が製作会社のGUMに映画化を提案し、実現した。25日、撮影現場で取材に応じた尚玄は「夢のためにまい進する土山さんに引かれた。この映画に出ることでアジアと沖縄をつなげていけたら」と意気込んでいた。主人公の母親役は女優の南果歩、妹役はモデルで映画初出演のMaaayaが務める。