承認撤回取り消し訴訟、沖縄県が敗訴へ 辺野古埋め立て 最高裁が26日に判決


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通省の決定(裁決)は違法だとして、県が裁決の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は16日、上告審判決を26日に言い渡すことを決めた。結論を変更する際に必要な弁論が開かれないため、県敗訴とした福岡高裁那覇支部判決が確定する見通し。

 玉城デニー知事は「正式なコメントは最高裁判所の判決言い渡しを受け、内容を確認してから発表する」とコメントした。

 県は2018年8月、埋め立て予定海域に軟弱地盤が見つかったことなどを根拠に承認を撤回。これに対し沖縄防衛局が行政不服審査法に基づく審査請求を申し立て、19年4月に当時の石井啓一国交相が撤回を取り消す裁決をした。

 県は、防衛局の審査請求は行政不服審査制度の乱用で、同じ国側の国交省による裁決は違法だと反発。総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出たが、却下され、同年7月に提訴した。高裁那覇支部は同年10月、国交省の裁決は地方自治法上の「国の関与」に当たらず、訴訟の対象にならないとして県の訴えを退けた。

 玉城県政は工事を止めるために、この訴訟のほか、「抗告訴訟」も起こし係争中だ。抗告訴訟は、埋め立て承認撤回は適法であり、撤回を取り消した国の決定は違法だとして国交省の裁決取り消しを求めている。