F22ステルス戦闘機、「クラスA」事故6件 事故率最多


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米空軍嘉手納基地を離陸するF22ステルス戦闘機=2018年

 【与那嶺路代本紙嘱託記者】米空軍安全センターがまとめた2019会計年度(18年10月~19年9月)空軍機事故統計によると、F22ステルス戦闘機が「クラスA」と定義される重大な事故を6件起こし、10万飛行時間当たりの事故率が21・48件と最多だったことが分かった。垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの事故は1件、事故率は9・15件と、F22についで2番目に多かった。

 事故統計を独自に集計した米軍事サイト「エアフォース・タイムズ」(18日付)によると、クラスA~Cまでの空軍機全体の事故数は667件と前年度から減ったものの、戦闘機の事故は増えた。F15は76件、F16は90件、F22は57件、F35は20件、A10攻撃機は39件。事故の多くはクラスCだった。いずれの機種も嘉手納基地に所属するか同基地に飛来している。

 エアフォース・タイムズによると、戦闘機で事故数が増えた主な理由は新しい戦闘機の修理が高額で複雑になったため。例えばF16に比べて複雑なエンジンを持つF35は、バードストライク(鳥の衝突)でも修理費用がかさむ。事故分類は被害額に応じるため、クラスが引き上げられるという。

 輸送機オスプレイの場合は、エンジンの製造元ロールスロイスが修理に当たるため、自前で修理するより費用がかかり事故分類のクラスも引き上がるという。

 事故はA~Eに分類される。クラスAは被害総額200万ドル以上か、死者が出た事故。クラスBは被害額50万~200万ドルか障がいの残るけが人がいる事故、クラスCは被害額5~5万ドルか、欠勤が必要なけが人がいる事故。