沖縄戦当時、食糧確保や疎開に尽力したとされる島田叡沖縄県知事と荒井退造県警察部長の姿や県民の苦悩を描く映画「島守の塔」に出演する萩原聖人さんら俳優や映画関係者ら約60人が24日、那覇市の波上宮を訪れ、撮影の成功と安全を祈願した。映画の製作委員会の嘉数昇明委員長も出席した。祈願の後、映画監督の五十嵐匠さんと俳優らが、周辺にある殉職警察職員慰霊碑や戦没新聞人の碑などを訪ねた。
主演は島田役を萩原聖人さん、荒井役を村上淳さんが務めるほか、防空監視隊で県職員の女性比嘉凛役を吉岡里帆さんが務める。池間夏海さん、吉田妙子さんら県出身俳優も出演する。
映画は1944年の対馬丸沈没、10・10空襲のほか一般住民に犠牲を強いた沖縄戦の史実を作中に盛り込む。五十嵐さんは「全国の方々に沖縄戦や戦争のもたらしたものというものは一体どういうものだったのか、映画を通じて知ってもらえたら幸いだ」とコメントした。島田知事の出身地の神戸新聞社と荒井部長の出身地の下野新聞社、琉球新報社と沖縄タイムス社などで製作委員会を構成する。うるま市伊計島で25日にクランクインし県内で撮影後、栃木や茨城、兵庫などで撮影を予定している。