飲食店屋内を禁煙に 改正健康増進法 受動喫煙の防止へ


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
4月1日からの店内禁煙に合わせてステッカーを貼る「りーさん堂」店長の国中桂生さん=27日午後、那覇市

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が4月1日に全面施行され、飲食店やホテル、職場、旅客船などは原則屋内禁煙になる。厚生労働省によると、国民の8割が非喫煙者であるのに対して、望まぬ受動喫煙による肺がんや脳卒中で亡くなる人は年間約1万5千人と推計される。悪質な違反者には罰則もあり、県健康長寿課は「健康を守るための改正法施行だ。しっかり守ってほしい」と呼び掛ける。

 「今月までは大丈夫ですが、4月から禁煙です」。27日昼すぎ、那覇市久茂地1丁目の中華料理店「りーさん堂」。灰皿を求めた客に、店員がそう説明した。店長の国中桂生さん(41)は非喫煙者で、子連れの観光客もいことから「もっと早く禁煙にしたかった」というのが本音。ただ「客が減るかもしれない」と禁煙にはできなかった。「4月からは『法律でダメ』と言いやすくなる。気分は楽」と笑う。

 2019年7月の同法一部施行で学校や病院などは敷地内禁煙になっていた。今年4月の全面施行で、飲食店は飲食不可の喫煙専用室以外でたばこを吸うことはできなくなる。個人または出資金5千万円以下の中小企業が経営し、客席面積100平方メートル以下の既存店は当面の間、保健所に届け出て「喫煙可」などの標識を掲示すれば喫煙可能となる。

 ただ、客だけでなく従業員も未成年者は立ち入れなくなる。県健康長寿課によると25日現在、県内760店が喫煙可能店として届け出をしている。

 最大380人が収容できる那覇市松山1丁目のバイキング居酒屋リオも4月以降は喫煙専用室を設置せず、禁煙にする。奥間昇社長は「禁煙にしなくても外で吸う人が増えていた。受動喫煙を防ぐという意識が浸透しつつあるのではないか。喫煙、禁煙より今は新型コロナウイルスの方が深刻だ」と語った。