沖縄県軍特委、日米両政府に抗議 泡消火剤流出 現場確認申し入れ 


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 米軍普天間飛行場から有機フッ素化合物を含む泡消火剤が流出した事故について、県議会米軍基地関係特別委員会の仲宗根悟委員長と親川敬副委員長は23日、県内にある米軍基地や日米両政府の関係機関を回り抗議した。県議会は今回の抗議と別に普天間飛行場に立ち入り、現場を確認したい考えで沖縄防衛局を通じて米軍に申し入れている。

 仲宗根氏らは、16日に委員会が全会一致で決めた、事故の原因究明と再発防止を求める抗議声明を各機関に提出した。汚染の範囲特定と浄化、宜野湾市消防職員や周辺住民の健康調査、日米地位協定の改定、普天間飛行場の運用停止・返還も要請している。

 仲宗根委員長によると、米軍キャンプ瑞慶覧で対応した第3海兵遠征軍政務外交部長のニール・オーウェンズ大佐は「不安を与えて申し訳ない」と謝罪したが、原因は「調査中」と述べるにとどめた。有機フッ素化合物PFOSを含まない泡消火剤への切り替えについて「指示を受けている」としながらも、切り替えが進んでいない理由や具体的な見通しは明示しなかった。

 仲宗根委員長らは在沖米総領事と防衛局、外務省沖縄事務所も訪れ抗議した。


<用語>PFOS・PFOA
 有機フッ素化合物の一種。発がん性などが指摘され、PFOSは残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)で国際的に製造・使用が制限され、国内でも一部例外を除き原則的に使用・製造が禁止されている。PFOAは世界保健機関(WHO)の外部機関が発がん性の恐れがある物質に指定し、主要な化学メーカーが既に自主的に使用を廃止している。物質としての安定性が高いため、環境中でほとんど分解せず、生物中に蓄積することが懸念されている。