辺野古の土砂搬出が増加 本部港塩川地区からの土砂搬出再開1年


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 【本部】名護市辺野古の米軍新基地建設で、本部町の本部港塩川地区からの土砂搬出が再開されて25日で1年となった。本部町島ぐるみ会議によると、1カ月当たりの土砂搬出量は、作業が本格化した2019年7月は工事車両2311台分だったが、今年3月は6743台分と約3倍に増えた。搬出を請け負う業者はベルトコンベヤーの使用を県に申請しており、新基地建設に反対する市民はさらなる搬出加速に警戒を強めている。

 土砂の搬出量が増えている状況について、沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は「土砂の7割以上は西日本から運ばれる計画だったが、今後はほとんどが県内調達になると言われている。さらに量が増えるので搬出をどう止めるかが課題だ」と指摘した。ベルトコンベヤーについては「許可されると工事加速につながる。県は毅然(きぜん)と対応するべきだ」と求めた。

 本部港塩川地区は沖縄防衛局が新基地建設の土砂搬出に使用していたが、18年9月の台風で岸壁が破損した。岸壁と荷さばき地の使用許可権限を県から移譲されている本部町は同11月、破損を理由に業者の使用申請を受け付けなかった。

 防衛局は同12月、塩川の代替として名護市安和の琉球セメント桟橋から搬出を開始した。本部町は岸壁修復後の19年3月に塩川の使用を許可し、同4月に搬出が再開した。その後は安和と塩川から土砂が辺野古に運ばれている。

 搬出を監視する本部町島ぐるみ会議の仲宗根須磨子共同代表は「沖縄の思いを無視して国はやりたい放題だ。抗議の市民も疲弊しているが、あきらめる訳にはいかない」と語った。