流出PFOSなど国指針超え 県が採取の河川一地点で


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 米軍普天間飛行場から有機フッ素化合物を含む泡消火剤が流出した事故について、県環境保全課は基地外の河川で採取した水に含まれる有害物質の濃度を測定し、速報値を発表した。河川1地点でPFOS・PFOAの合計値が1リットル当たり58ナノグラムで、環境省が定める水質の暫定指針値案の同50ナノグラムを超えた。

 速報値は主流の構造を持つ有機フッ素化合物のみで、構造の異なる有機フッ素化合物を含める確定値はより高くなる。11日に採水した河川(4地点)・湧き水(2地点)は1リットル当たりのPFOS・PFOA合計は8・5~58ナノグラム、14日に採水した牧港漁港・牧港川では同2・2~13ナノグラムだった。

 泡消火剤の影響について本紙記者が12日に宇地泊川で採取した水からはPFOS・PFOAが合計で1リットル当たり247ナノグラム検出された。京都大学の原田浩二准教授が分析した。原田氏は「道路などに付着していた泡が雨によって川に流れ込み、11日よりも12日に高濃度となった可能性がある」と分析した。

 日本環境化学会の田代豊評議員は「一部で上流よりも下流の濃度が高くなっている。泡が均一でなかった可能性がある」と述べた。

 また別の有機フッ素化合物「6:2FTS」が大謝名メーヌカーと呼ばれる湧き水で1リットル当たり2万ナノグラム検出されたが、県は原因を調査中だとしている。原田氏は「今回の事故とは別にもともと汚染されていた可能性がある」と指摘した。