沖縄県立学校の夏休み、8月1日から10日まで 県教委が依頼文


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 沖縄県教育庁は15日午前、県立学校の夏休み期間について、8月1日から10日までと設定するよう求める依頼文を各学校長宛てに発出した。

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため4月7日から始まり、今月20日までを予定している臨時休校を受けて、夏休み期間中に学習時間を確保するため。

 県立学校教育課によると、先月7日からの休校期間中、平日の日数は28日間あった。今回、夏休みを10日間にすることで、22日分の授業日数が確保できるとしている。残りの日数については、各学校に対して行事の取りやめによる授業への振り替えや、土曜授業などで補うことを検討するよう求めている。

 夏休みの短縮により、現時点では、必要とされている年間の授業時数をカバーできる見込みだ。【琉球新報電子版】

生徒の気持ちとギャップある

 夏休みの期間を10日間に短縮する方針が県教育委員会から示されたことを受け、本島南部の高校に勤める男性教諭は「登校日に学校に来た生徒からは『夏休みどうなるの。削らないで』という声も聞こえていた。休校中も自宅に待機しなければならず、ストレスがたまっていたはずなのに、夏休みも削られてしまうとさらにストレスが増える」と生徒の心情を推し量る。

 半面、教師の立場としては授業を増やすことで学習の遅れを解消したいという思いもあり「学習を保障したいという教師たちの気持ちと、夏休みを満喫したいという生徒たちの気持ちの間にギャップがある」と複雑な心境を吐露した。

 高等学校PTA連合会の宮城光秀会長は、学習面の遅れや相次ぐ行事の中止など、さまざまな問題が浮上している中での夏休み短縮方針に「どのような影響が出るのかよく分からない」と、評価に迷いながら「みんな同じ条件なので、子どもたちは前を向いてくれたら」と話した。