5月は患者ゼロ達成 来県者から広がった沖縄県の新型コロナ 31日連続で未確認


この記事を書いた人 Avatar photo 斎藤 学
新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 沖縄県は31日、新型コロナウイルスのPCR検査を11人に行った結果、新たな感染者は確認されなかったと発表した。県内で新型コロナ感染者ゼロは、5月1日から連続で1カ月となった。沖縄県の糸数公保健衛生統括監は「北九州市ではゼロが続いた中で患者が増加しており、全く安心はできない。6月1日から県外の行き来が増えるので、感染者を早めに見つけられるように対策していく。症状がある人も早めに相談してほしい」と語った。

 31日現在、新型コロナで入院中の患者は、再陽性の2人を含む3人。うち重症者は2人となっている。県関係の累計患者数は143人のまま。

 県内での新型コロナ感染は3月下旬に関東、関西から多くの感染者が来県し、来県者と接触した観光業や接客業の人らが感染し、県民に広がっていった。4月上旬に新型コロナ患者が急増する中、8日には感染拡大防止のため、玉城デニー知事が来県自粛を要請。県民に対しても集団感染の発生を防ぐため、不要不急の外出を控えるよう呼び掛けた。
 
 それでも患者の増加は止まらず、15日には県内で初めて患者が死亡した。玉城知事は20日、県独自の「緊急事態宣言」を発出し、22日には遊興施設や学習塾、床面積が千平方メートルを超える商業施設など7業種の事業者に対し、休業を求めた。

 5月1日以降、新規感染者ゼロが続く中、玉城知事は14日に県の緊急事態宣言を解除し、21日には県立学校などが再開した。29日には、県外と沖縄間の渡航自粛要請を6月1日から段階的に緩和し、19日からは全面解除して、全国に向けて誘客キャンペーンを行うと発表した。県、医療、観光業界は感染拡大を最小限に抑えながら観光客を受け入れるため、6月中旬までにアクションプランをまとめる。【琉球新報電子版】