<県議選私の訴え>島尻・南城市区 MICE施設が発展の核 宮古島市区 自衛隊配備に割れる意見


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 7日投開票の県議選に向け、各立候補者は県全体の課題や問題だけではなく、地域別の課題についても政策を訴えている。島尻・南城市区と宮古島市区の課題を探った。(’20県議選取材班)

<島尻・南城市区>MICE施設建設焦点 待機児童解消も課題

 島尻・南城市区は南城市、与那原町、南風原町、八重瀬町の4市町にまたがる。地域の課題は多岐にわたるが、インフラ整備の充実や産業の発展から都市部との格差是正を訴える候補者は少なくない。特に各候補が関心を寄せているのは、県が与那原町と西原町で進めている大型MICE施設(国際会議、展示会など大型イベント)の建設計画だ。

 今県議選に向け本紙が実施したアンケートでは、同選挙区から出馬した6人中5人の候補が大型MICE施設建設計画について賛成している。

 理由は「東海岸地域の発展には必要」など、大型商業施設の進出や、道路整備が進む本島西海岸側と比べ開発が進んでいない東海岸側の発展には大型MICE施設の建設推進が不可欠とする意見が多かった。

 待機児童の解消も課題の一つとなる。現在、選挙区内では、区画整理事業などが進み人口が増加傾向だ。それに伴い各地で待機児童が問題となっている。

 今回出馬した候補者には子育て支援を重視する人も多く、各候補者には安心して子育てができる環境づくりが求められる。

<宮古島市区>自衛隊配備 意見割れる

 現職1人、新人2人が立候補した宮古島市区は自衛隊の弾薬庫施設建設問題を巡り揺れている。防衛省は南西諸島の防衛力強化を理由に施設の完成を急ぎたい考えだが、市民からは生活圏と隣り合わせの弾薬庫建設に危機感が募っており、反対運動が続いている。

 南西諸島への自衛隊配備計画を巡っては、防衛省は今年3月26日、陸上自衛隊宮古島駐屯地に地対空、地対艦ミサイル部隊を配備した。市城辺保良地区で建設中の弾薬庫施設は2020年度末に完成する見通しだ。自衛隊配備の是非について立候補者3人のうち、県政与党系候補者が「反対」、野党系候補者2人が「賛成」と意見が割れている。

 一方、経済振興、医療体制の強化なども重要な課題となっている。近年、観光客が急増している宮古島市の2020年1月1日現在の商業地の公示地価は、前年比24・5ポイント増のプラス27・3%と急騰し、前年の15位から1位になった。観光客の増加やホテルの建設ラッシュを背景に「宮古島バブル」と形容されてきたが、新型コロナウイルス感染症により状況は一変。クルーズ船の寄港や航空便のキャンセルが相次ぎ、市内から観光客が消えた。

 観光客の落ち込みにより、市内の交通機関や飲食業などへの影響は甚大となっており、経済対策や市民生活の救済は待ったなしの状況となっている。

県議選2020 特集ページはこちら