普天間の泡消火剤流出 大謝名橋上流で基準超す 県5月調査


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宇地泊川で泡消火剤を採取する県環境部の職員ら=4月11日、宜野湾市

 4月10日に米軍普天間飛行場で発生した泡消火剤流出事故について、沖縄県環境保全課は5日、4月11日と14日に同飛行場周辺の河川や湧き水で実施した水質調査の結果(確定値)を発表した。調査した10地点のうち「大謝名橋上流200メートル」の1地点で、発がん性などのリスクが指摘される有機フッ素化合物「PFOS」と「PFOA」の合計値が、環境省が定める水質の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超えた。同地点は同83ナノグラムで、残る9地点での値は同2・8~41ナノグラムだった。

 県は事故の長期的な影響を調べるために、事故から約1カ月が経過した5月14日にも再度採水をした。分析が終わり次第、結果を公表する。1地点で基準値を超えたことについて県環境保全課は「現段階では評価できない。再度の水質調査の結果や、普天間飛行場で採取した土壌の分析結果などを待ちたい」とした。

 今回公表した調査地点のうち、湧き水である「大謝名メヌーカー」では泡消火剤から生成される「6:2FTS」が1リットル当たり2万ナノグラムという高い値で検出された。県は「原因は引き続き調査中だ」としている。

 沖縄防衛局も5日、普天間飛行場外の宜野湾、浦添両市内の川付近や海で、4月23日に実施した水質調査の結果(確定値)を発表した。14地点で調査し、いずれも環境省の暫定指針値を下回った。

 値が最も高かったのは付近の畑の1リットル当たり30ナノグラムで、最少は牧港漁港養殖施設内の海ブドウで同0・1ナノグラム未満だった。