知事「民意は明確、直ちに停止を」辺野古工事再開を批判


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記者会見で報道陣の取材に答える玉城デニー知事=12日、県庁

 沖縄防衛局が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた工事を再開した12日、玉城デニー知事は定例会見で「再開ありきだ」と批判した。7日投開票の県議選で辺野古新基地建設が争点になったとし「反対する候補者が過半数を占めたことで、民意が改めて明確になった」と強調。工事再開に反発し、今後も新基地建設の断念を求めていく考えを示した。

 定例会見では工事再開について質問が集中した。玉城知事は、絶滅危惧種のジュゴンに与える工事の影響を再評価するよう指導していたとし「県の指導にもかかわらず(防衛局は設置している)環境監視等委員会で議題にもせず、専門家から意見を聞くこともなかった。事業の再開ありきだ」と述べた。「直ちに工事を停止し、工事によるジュゴンへの影響を再評価するよう求めたい」と語った。

 新基地建設を止める手だてを問われ「事業をあらゆる観点から検討し、必要なら行政的に指導する。指摘すべき点は多々あろう」と回答。防衛局が申請している設計変更についても触れ「厳粛に審査をしていく」と話した。

 有識者を集めた「米軍基地問題に関する万国津梁(しんりょう)会議」が辺野古新基地建設を困難視し、県外・国外への分散などを提言したことについても言及。「提言を踏まえ、新基地建設の中止や米軍基地の整理縮小について改めて政府に対話を求めていきたい」と語った。