地上イージス計画停止に「普天間との差何か」「沖縄差別いつまで」 県内に憤り、疑問


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の国内配備計画のプロセス停止が発表された15日、米軍基地の被害や先島への自衛隊配備に揺れる沖縄県内から「危険な普天間飛行場は、ほったらかしか」「沖縄差別だ」などの声が上がった。

 普天間飛行場の米軍機が近くで離着陸する宜野湾市新城で、子どもの居場所づくりに取り組む赤嶺和伸さん(66)は「地元の反発を受け、国として配慮した格好をつくりたかったのか」と首をひねる。沖縄では選挙のたび、同飛行場の名護市辺野古移設計画に反対多数の民意を示しているが、国は計画を進める。「辺野古の埋め立てに十数年かかるとされるがその間、危険な普天間飛行場はほったらかしか。イージスの計画との差は何なのか」と憤った。

 ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会代表の仲里成繁さん(66)は「宮古島市へのミサイル部隊配備を強行する一方で、イージス・アショアは停止する。沖縄を無視する国の姿勢がはっきりと表れている。いつまで沖縄差別を続けるのか」と語気を強めた。

 石垣島の陸上自衛隊配備予定地近くに住む川満哲生さん(61)=農業=は「あまり『差別』という言葉は使いたくないが、そう言われても仕方ない気がするね」とため息をついた。「石垣島は国境の島だと言うが、だからこそ配備は慎重に進めないといけない」と話した。

 嘉手納基地に近接する嘉手納町屋良に住む60代男性は、米軍機から排出される悪臭や騒音に何十年も悩まされてきた。「政府には同じ国民として沖縄の民意にも耳を傾けてほしい」と訴えた。