戦時中の食糧運搬「飯上げ」 南風原町の児童8人が追体験 「肩が外れるほど重い」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
10リットルの水が入ったたるをぶら下げた棒を担ぎ、「飯上げ」の追体験をする児童=23日、南風原町喜屋武の南風原文化センター

 【南風原】「第26回南風原町子ども平和学習交流事業」で町内の小学6年生8人が23日、南風原文化センターで沖縄戦の歴史を学び、戦時中の「飯上げ」を追体験した。南風原文化センターの平良次子学芸員は真珠湾攻撃や米軍の沖縄上陸など、沖縄戦が起こった歴史を解説した。児童8人は真剣な表情で聞き入った。

 戦時中、ひめゆり学徒らが砲弾の降る中、命懸けで兵士らの食料を運んだ「飯上げ」も体験した。8人は、南風原町子ども平和学習交流事業の第1期生で、OBの沖国大准教授秋山道宏さん(37)の案内で、喜屋武集落内にある炊事場から沖縄陸軍病院南風原壕のある黄金森まで約300メートルを歩き、当時の学徒らに思いをはせた。10リットルの水を入れたたるを棒で担いだ桃原梨生さん(11)=翔南小=は「肩が外れたかと思うくらい重かった」と振り返り「平和主義という言葉をみんなが忘れず、暮らしやすい国になってほしい」と願った。