那覇市長「32軍壕公開を」きょう知事へ要望書


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城間幹子那覇市長

 城間幹子那覇市長は25日の定例記者会見で、戦時中に首里城地下に築かれた第32軍司令部壕の保存と公開を県に求める考えを明らかにした。市議会は26日午前に6月定例会最終本会議を開き、壕の保存・公開を求める意見書を全会一致で可決する見通し。同日午後に城間市長と久高友弘議長らが玉城デニー知事を訪ね、意見書と市の要望書を手交する。

 城間市長は会見で第32軍司令部壕について「負の遺産ではあるが、しっかり整備、公開をして、こういう歴史があったと若い人に伝えていく場所かと思う」と指摘した。

 県はIT技術を用いて壕内部の公開を検討するとしているが、現場公開を求める声は根強い。城間市長は「現代の技術を駆使した公開にも期待している。安全優先で(現場公開も)可能な範囲で求めたい」と述べた。

 第32軍司令部壕の公開を求める世論は首里城再建の動きに伴い高まってきた。城間市長は「首里城焼失は本当に残念だが、戦争遺跡としての首里城、文化の発信地としての首里城、さまざまな側面をわれわれに気付かせてくれた」と語った。